マタニティ歯科
マタニティ歯科とは?
妊娠中でも安心して来院し治療・メンテナンス、そして保健指導が受けられるように、私達歯科医療者がサポートしていきます。妊娠・出産は女性の一生の中でとても大きな出来事です。妊娠・出産は病気ではありませんが、妊産婦さんの治療は多大な配慮が必要です。なので、妊産婦さんが歯科治療に対する不安を軽減するためお手伝いができたらと思います。
女性は妊娠することにより、様々な面で今までと違う環境に置かれます。お口の中も『妊娠性歯肉炎』から始まり重症化すると早産や低体重出産のリスクが高まります。妊娠中から口腔管理をしっかり行うことで、産まれてくる子供の口腔内も良くする事が出来ます。妊娠中だからこそ、歯科医院に通いお口を健康にして、これから母親になる準備を一緒にしていきましょう。
虫歯は子供に遺伝する
国際的な医学雑誌「Tohoku Journal of Experimental Medicine」に掲載された仲井雪絵先生の研究論文から次のような知見が得られました。
・妊娠中に保健指導を受けたお母さんの子供は、受けなかったお母さんの子供に比べて3倍虫歯になりにくい。
・定期健診(フッ化物の歯面塗布を含む)を受けた子供は受けなかった子供に比べて3倍虫歯になりにくい。
つまり、妊娠中に保健指導を受けたお母さんが、生れたお子さんにも定期健診を受けさせれば、何もしなかった子供と比べて『3×3=9倍虫歯になりにくい』生まれる前から予防を始めるとより効果的に子供の歯の健康は守られるということです。
妊娠中の口腔内の変化
- 妊娠初期「つわり」が起こりやすく食生活や歯磨きなどの生活習慣に影響を及ぼしやすくなります。また、女性ホルモンの分泌が増えるため歯肉炎の症状(妊婦の30~70%が発症)がみられやすくなります。加えて、つわりにより歯ブラシが奥まで入れにくくなったり、嘔吐により口腔内が酸性になり歯が溶けやすくなります。その為、齲蝕・歯肉炎のリスクがより高まります。
- 妊娠中期比較的に体調も安定しやすく治療を受けるにはいい時期と言われています。また食欲も増えていきます。
- 妊娠後期お腹が更に大きくなり、子宮が肺や胃を圧迫するため 息切れ・動悸が生じます。また、1回の食事量が少なくなるため、その分食事の回数が多くなりがちです。食事の回数が増えれば口腔内が酸性になり齲蝕が進行する原因にもなります。
- 出産後女性ホルモンの分泌が元に戻ることで、口腔症状(妊娠性歯肉炎)は徐々に改善していきますが、進行した齲蝕や歯周病は自然の回復は困難です。
妊娠中の治療について
妊娠中に治療をすることになったら、「歯科治療しても大丈夫か」「レントゲン撮影をしても大丈夫?」「麻酔や薬は?」などの不安が頭を過り、治療を敬遠してしまうことになりがちです。その不安にお応えして 安心して治療を受けるように私たちは全力でサポート致します。
- レントゲン妊婦中にレントゲン撮影は心配される方が多いと思いますが、当医院はデジタルを使用しており従来の1/10の放射線で撮影でき また鉛入りの保護用エプロンを着ることにより胎児への影響がほとんど無いと言えます。
- 歯科麻酔こちらも胎児に影響が無いか心配される方がいらっしゃると思いますが、歯科麻酔は局所に作用し局所で分解される麻酔なので使用量を守れば、ほぼ問題なく使用できます。痛みに耐えて治療を受けるより事の方がストレスになり妊婦さんに負担がかかります。
- 薬物の服用基本的に妊娠中の投薬はできる限り避けたいですが、どうしても必要な場合は、比較的、胎児に影響を及ぼさない薬を選び投薬致します。