こんにちは歯科技工士の宮林です。
今日は一日中春嵐でした。お天気ニュースでも所沢は28メートルの強風です。農作物の無い畑は一面、茶色に染まる砂嵐でした。大変でしたね。
充填(じゅうてん)とは、欠けているところや空いている空間にものを詰めて塞ぐこと。
歯科用アマルガムは充填用材料として、歯科臨床において長年使用されていました。
アマルガムの原理を歯科に最初に応用したのはフランス人のレジナードで、彼は1818年にビスマスとスズの混合物と水銀を練和し、歯に詰めることを試みたといわれています。その後1826年にフランス人のTaveauが銀貨をヤスリで削った粉を水銀と練和し歯に詰めたのが今日でいう銀アマルガムが歯科に用いられた最初であるといわれています。その後英国に渡り、そののち1833年に米国に紹介され化学的な評価も認識され、米国歯科医師会の歯科材料規格の創設に繋がり、日本に入ってきた歴史があります。
現在では、水銀の環境汚染問題が危惧され、日本の歯科臨床で用いられることは、ほとんどなくなりました。
アマルガムに含まれる水銀は無機水銀といって、水俣病などで知られる有害なメチル水銀とは性質は違います。しかし、アマルガムに含まれる水銀が溶けて、少しずつ体内に蓄積し、健康被害につながる危険性があることがわかってきています。
1990年頃まで保険診療の詰めものにはよく使用されていました。2016年には保険診療から外され、今現在、治療で使われるケースはほとんどないと思います。
およそ30年前後、それより以前にむし歯治療された方々はアマルガムが充填されているかもしれません。一見インレーと言われる鋳造金属と区別がつきずらい方も確認ということで検診にいらしてください。アマルガムが充填されている場合は、ぜひ治療し直していただくことをおすすめします。