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歯ぎしり・食いしばりを放っておくと歯が割れることも。セルフチェックと保険で作れるナイトガード(マウスピース)

「朝起きると、なんだか顎が疲れている」
「家族に歯ぎしりの音を指摘された」
そんな経験はありませんか。

歯ぎしりや食いしばりは、寝ている間や集中しているときに無意識に起きているため、自分ではなかなか気づけません。そのため、気づいたときには歯がすり減っていたり、詰め物が壊れていたりすることもあります。

今回は、新秋津・秋津駅前まつばら歯科が、歯ぎしり・食いしばりのタイプとセルフチェックの方法、そして保険で作れるナイトガード(マウスピース)についてくわしくご紹介します。

😴 歯ぎしりは「音」だけではありません

歯ぎしりというと、ギリギリという音を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、大きく3つのタイプに分けられます。

1. グラインディング(すり合わせるタイプ)
上下の歯を横にすり合わせるタイプです。いわゆる「ギリギリ」という音が出るため、家族に指摘されて気づく方が多いパターンです。

2. クレンチング(噛みしめるタイプ)
上下の歯をぐっと強く噛みしめるタイプです。音がほとんど出ないため、まわりの人にも気づかれません。日中、パソコン作業やスマートフォンを見ているときに起きていることもあります。

3. タッピング(カチカチ鳴らすタイプ)
上下の歯を小刻みに打ちつけるタイプです。3つのなかでは比較的少ないとされています。

ここで注意していただきたいのが、2つめのクレンチングです。音が出ないため「家族に何も言われないから、自分は歯ぎしりをしていない」と思い込んでしまいがちですが、歯にかかる力という点では、決して軽いものではないと考えられています。

🔍 まずはセルフチェックしてみましょう

頬に手を当てて顎の不調を感じている女性|歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック

次の項目のうち、当てはまるものはありますか。

✓ 朝起きたとき、顎が疲れている・だるい
✓ こめかみのあたりが張っている感じがする
✓ 頬の内側や舌のふちに、白い線や歯の痕がついている
✓ 前歯や奥歯の先端が平らにすり減ってきた
✓ 詰め物や被せ物が、よく外れる・欠ける
✓ 冷たいものがしみることが増えた
✓ 肩こりや頭痛が続いている
✓ 集中しているとき、気づくと歯を噛みしめている

複数当てはまる場合は、歯ぎしりや食いしばりが起きている可能性があります。なお、しみる症状については虫歯が原因のこともあるため、自己判断せず一度ご相談ください。

⚠️ 放っておくと起こりうること

歯ぎしりや食いしばりのときに歯にかかる力は、食事のときに噛む力を大きく上回ることがあるといわれています。しかも睡眠中は、無意識のうちに長時間その力がかかり続けます。

そのため、次のようなトラブルにつながることがあります。

・歯の先端がすり減って、平らになっていく
・歯に細かなひびが入る、欠ける、割れる
・詰め物や被せ物が外れる、欠ける
・歯の根元がくさび状に削れて、しみるようになる
・歯を支えている骨や歯ぐきに負担がかかる
・顎の関節やまわりの筋肉が痛む、口を開けにくくなる

とくに、歯を支える組織にすでに炎症がある場合、そこへ強い力が繰り返し加わることで状態が進みやすくなることがあります。歯周病治療と並行して、力のコントロールを考えることが大切になるのはこのためです。

🤔 なぜ歯ぎしりは起きるのでしょうか

じつは、歯ぎしりの原因はまだ完全には解明されていません。現時点では、次のような要因が複雑に関わっていると考えられています。

・ストレスや緊張
・睡眠の質、睡眠中の浅い眠りのタイミング
・飲酒、喫煙、カフェインなどの生活習慣
・噛み合わせのバランス
・日中の姿勢や、うつ伏せ寝などの癖

原因がひとつに絞れないということは、裏を返せば「原因を完全になくす」ことを目指すのが難しいということでもあります。そこで歯科では、原因を取り除くことと並行して、歯にかかる力から歯を守るという考え方をとても大切にしています。

🏠 今日からできるセルフケア

寝ている間の歯ぎしりを意識でコントロールすることはできませんが、日中の食いしばりは自分で減らしていくことができます。

  1. 「歯を離す」を意識する/本来、上下の歯は会話や食事のとき以外は触れていないのが自然な状態です。気づいたときに、すっと力を抜いて歯を離してみてください。
  2. 目印を作る/パソコンのモニターや冷蔵庫など、よく目に入る場所に小さな付箋を貼っておくと、見るたびに「力が入っていないかな」と確認できます。
  3. 寝る前の環境を整える/就寝前のカフェインやアルコールを控える、入浴で体を温めるなど、深く眠れる工夫をしてみましょう。
  4. 顎まわりをゆるめる/こめかみや頬をやさしくマッサージして、日中に力が入りやすい部分をゆるめましょう。ただし痛みがあるときは無理をせずご相談ください。

🦷 歯科での対策「ナイトガード」とは

ナイトガードは、就寝中に装着するマウスピース型の装置です。マウスガードやスプリントと呼ばれることもあります。

ここで、よくある誤解をひとつ解いておきます。ナイトガードは、歯ぎしりそのものを止める装置ではありません。歯ぎしりを無理に止めるのではなく、装置が上下の歯のあいだに入ることで、力を受け止めて分散させ、歯や被せ物にかかる負担をやわらげることを目的としています。

つまり、原因を消す装置ではなく、大切な歯を守るためのクッションのような存在だとお考えください。

📐 当院が大切にしている「犬歯誘導」と咬合調整

ナイトガードは、歯型に合わせて作れば終わり、という装置ではありません。当院が大切にしているのは、装着したあとの噛み合わせの調整です。

お口を横に動かしたとき、糸切り歯(犬歯)だけが触れて、奥歯がすっと離れる状態を「犬歯誘導」といいます。犬歯は根がしっかりしていて力に強い歯であるため、横向きの力を犬歯で受け止め、奥歯に負担が集中しないようにする考え方です。

当院ではこの犬歯誘導が得られるようにナイトガードを設計し、お渡しするときには、実際に噛んでいただきながら少しずつ削り合わせて調整していきます。奥歯に横向きの力がかかりにくい状態を目指して、装置の形を細かく整えていく工程です。

市販のマウスピースとは何が違うの?

ドラッグストアや通販でも、歯ぎしり対策をうたったマウスピースが売られています。お湯で温めて柔らかくし、ご自身で噛んで歯の形をおおまかにうつしとる「ボイルアンドバイト」と呼ばれるタイプが主流です。

ただし、ご自身で噛んで成形する方法では、歯の形はある程度うつせても、横に動かしたときの噛み合わせまで整えるのはむずかしくなります。前の項目でご説明した犬歯誘導は、上下の歯の動きを見ながら少しずつ削り合わせていく工程なので、お口の中だけでは再現がむずかしいのです。

また、市販品は商品によって扱いがさまざまで、衛生用品として売られているものもあれば、一般医療機器として届け出られているものもあります。そもそも症状の原因が歯ぎしりなのか、それとも別のところにあるのかを確かめないまま使い始めることにもなりますので、気になる症状があるときは一度ご相談ください。

保険で作るナイトガード(口腔内装置1・アクリル樹脂タイプ)の実物

噛む面に、歯のかたちがはっきりと写し取られています。
この面を実際に噛んでいただきながら、少しずつ削り合わせて調整していきます。

💡「マウスピースが割れました」は、悪い知らせではありません

ナイトガードを使っていると、「割れてしまいました」「穴が空きました」とお持ちになる方がいらっしゃいます。がっかりされる方も多いのですが、これはむしろ大切なことを教えてくれています。

装置が割れたということは、その力を歯ではなく装置が引き受けてくれたと考えられます。もしナイトガードを使っていなければ、その力は歯や被せ物に直接かかっていたかもしれません。

割れたナイトガードは、どこにどれくらいの力がかかっているかを知る手がかりにもなります。すり減り方や割れた場所を見せていただくことで、噛み合わせの調整や次の装置の設計に活かすことができます。

ですから、割れたり穴が空いたりしたときは、捨てずにそのままお持ちください。「壊してしまって申し訳ない」と思う必要はまったくありません。

💰 ナイトガードは保険で作れます

「マウスピースは自費で高いのでは」と思われている方も多いのですが、歯ぎしりと診断された場合、ナイトガードには健康保険が適用されます。歯科の診療報酬では「口腔内装置」という名称で、作り方や構造によって次の3種類に分けられています。

種類 作り方・特徴 3割負担の目安
口腔内装置1 入れ歯にも使われるアクリル樹脂で製作するタイプ。しっかりとした硬さがあり、噛み合わせを細かく作り込めます。 約4,500円
口腔内装置2 樹脂のシートを吸引・加圧して模型に圧接するタイプ。噛み合わせが付与されているものが該当します。 約2,400円
口腔内装置3 同じく圧接して作るタイプで、噛み合わせが付与されていないもの。 約1,950円

金額は装置そのものの目安であり、このほかに検査や歯型をとる費用、診察料などが別途かかります。また、お口の状態によって必要な処置が変わるため、正確な費用は診察のうえでご説明いたします。

なお、どのタイプが適しているかは、歯ぎしりの強さや歯の状態によって変わります。ご希望をうかがったうえで、診察の結果に応じてご提案いたします。

当院では、しっかりと噛み合わせを作り込める口腔内装置1(アクリル樹脂のタイプ)を中心にご案内しています。厚みと硬さがあるぶん、犬歯誘導を含めた細かな調整がしやすいためです。

完成までの流れ

  1. 診察・検査/歯のすり減り方や噛み合わせ、歯ぐきの状態を確認します。
  2. 歯型をとる/上下の歯型と、噛み合わせの記録をとります。
  3. 製作/歯科技工士が模型上で一つひとつ製作します。
  4. 装着・調整/実際にお口の中で噛んでいただき、犬歯誘導が得られるよう削り合わせて調整します。
  5. 定期チェック/使用状況やすり減り具合を確認し、必要に応じて調整します。

歯型をとってから完成まで、およそ1〜2週間ほどが目安です。装着したその日から慣れる方もいれば、数日かけて少しずつ慣れていく方もいらっしゃいます。

新秋津・秋津駅前まつばら歯科のエントランス

🧼 お手入れと使うときの注意点

せっかく作ったナイトガードを長く使うために、次の点にお気をつけください。

・使用後は水かぬるま湯で洗い、やわらかいブラシで軽くこすります
熱湯につけない/樹脂が変形して合わなくなることがあります
・洗ったあとはよく乾かし、通気性のあるケースで保管します
・直射日光の当たる場所や、車の中に置きっぱなしにしない
・受診の際は、ナイトガードを持参してください

また、日々のお手入れだけでは落としきれない汚れもあります。予防歯科の定期メンテナンスとあわせてチェックを受けていただくと安心です。

❓ よくあるご質問

Q. 毎晩つけないと意味がありませんか?
A. できるだけ毎晩つけていただくのが理想です。ただ、体調や気分でどうしてもつけられない日もあると思います。完璧を目指して負担になるより、続けられる範囲で習慣にしていくことのほうが大切です。

Q. 違和感があって眠れないのですが……
A. 装着した当初は、お口の中に異物があることで気になる方が多くいらっしゃいます。少しずつ慣れていかれる方が多いのですが、あたって痛い場所がある、どうしても眠れないという場合は調整で改善できることもありますので、我慢せずご相談ください。

Q. すり減ってきたら作り直せますか?
A. 使用状況によってすり減りや変形は起こります。お口の状態や経過に応じて、調整で対応するか作り直すかをご提案しますので、気になったタイミングでお持ちください。

Q. 歯ぎしりで歯が欠けてしまった場合はどうなりますか?
A. 欠けた範囲によって、詰めて修復する場合と、被せ物で覆う場合があります。すり減りが進んで見た目が気になる場合の選択肢については、審美歯科のページもあわせてご覧ください。いずれの場合も、修復したあとに同じ力がかかり続けないよう、ナイトガードでの保護を並行してご案内しています。

📝 まとめ

✓ 歯ぎしりには音が出ないタイプもあり、自分では気づきにくい

✓ 放っておくと、歯のすり減りや破折、詰め物・被せ物のトラブルにつながることがある

✓ 原因は完全には解明されていないため、「力から歯を守る」対策が大切

✓ ナイトガードは歯ぎしりを止める装置ではなく、力を分散させて歯を守る装置

✓ 当院は犬歯誘導を意識した設計と、装着時の咬合調整を大切にしている

✓ 装置が割れたときは、歯の代わりに力を受け止めてくれた証。捨てずにお持ちください

✓ 歯ぎしりと診断された場合、ナイトガードには健康保険が適用される

新秋津・秋津駅前まつばら歯科では、歯ぎしりや食いしばりが気になる方のご相談を承っています。「朝の顎のだるさが気になる」「歯がすり減ってきた気がする」という段階でも構いませんので、お気軽にお声がけください。当院については初めての方へのページもご覧ください。

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