この時節、天気が良いと紅葉が頭をよぎりますが、今年(今)は、雨も異常に多いと
脅威にさえ感じます。災害が起こらないように心からお願いしたい気持ちです。
今日は歯科技工士の宮林です。
今回やはり「サイエンスゼロ」より。
青森が熱い『フジツボ』の話です。
フジツボと聞くと私は、磯を素足で歩くのが恐い、尖った三角形(円錐形)みたいなもの
としか、イメージできません。
科学の視点からとらえると、まるで違うようです。
養殖、接着、生態、料理、栄養の5分野での話です。
岩場や船の底、スクリューなどにくっつき、漁師さんから見ると汚損生物でしかありません。そのフジツボ、海を無数のキプリス幼生と言う赤ちゃんが漂っています。
手、足、目をもち触角でくっつく場所を探し、仮止めをして気に入らないと、また、違う
所を探し気に入れば、脱皮して富士山型のフジツボとして、一生そこにくっつきます。
千種類ほどありサンゴのような色や形、大きさいろいろです。南米チリでは世界最大30
㎝程の「ピコロコ」。日本最大には「ミネフジツボ」がいます。
誰も見向きもしない捨てられていたフジツボでしたが、漫画で有名な「美味しんぼ」にも
でていますが、今や1㎏4000円程する高級食材として食べられています。
実は,貝ではなくエビやカニのように甲殻類だそうで、私も食してみたいです。
栄養面からも、DHA,EPAを多く含まれているそうです。
また驚くことに、「種の起源」進化論のチャールズダーウィン。進化論以前に、8年間も
フジツボの研究をしていたそうです。
私がもっとも気になったのは、フジツボの接着力です。
100㎏で引っ張ってもビクともしない接着です。
その成分が5種類のタンパク質でできていて、うち3種類が解明できていて、
残りの2つが分かれば、水中でも接着できます。
自然界でも将来的にちゃんと分解しますから、環境に優しい接着剤になります。
歯科や医科の治療、手術に大いに役立つことになります。
凄いですね。うれしいですねぇ。フジツボ。