こんばんは。
医療法人社団 愛正会
新秋津・秋津駅前まつばら歯科
歯科技工士の根本です🔧
被せ物や詰め物を作るとき、
避けて通れないのが 「印象(型どり)」 です。
まつばら歯科では自費の被せ物や詰め物の印象をする際は、
歯科技工士が印象の確認をしています。
患者様からは
「1回型を取ったら終わりじゃないの?」
と思われがちですが、実は 印象の確認 はとても大切な工程です。
今回は、医院でも日常的に行っている
“印象がきちんと取れているかどうかのチェック”について、
分かりやすくご紹介します。
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■ 印象(型どり)とは?
印象とは、歯の形・周りの歯ぐき・噛み合わせなどを
立体的に再現するために取る型のことです。
ここが正確でないと、
どれだけ良い材料を使ってもきれいな被せ物は作れません。

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■ なぜ“印象の確認”が必要なの?
① 歯と被せ物の境目になるラインがしっかり写っているか確認するため
被せ物の“精度”はこの境目のラインで決まります。
印象が不十分だと
•かぶせ物のフィット感が悪くなる
•セメントが溶けて外れやすくなる
•二次カリエス(再むし歯)が起こりやすくなる
といった問題が起きやすくなります。
② 気泡や欠けがないかを確認するため
印象材は柔らかい状態で口に入れ、固まることで形が取れます。
その過程で
•気泡
•歯の角の欠け
•抜けるときの変形
などが起こることがあります。
これらは 肉眼では見逃しやすく、当院ではマイクロスコープ(顕微鏡)を覗いて確認しています。
下の画像は約8倍のマイクロスコープでのぞいた印象です。

③ 咬み合わせのズレを防ぐため
噛み合わせの印象(バイト)がずれていると、
•高いかみ合わせになる
•反対に低く仕上がる
•片側だけ当たって痛い
といったトラブルにつながります。
印象とバイトは“セット”で確認する必要があります。
④ 技工士が模型を作る前に不具合を防ぐ
印象確認が甘い状態で模型を作ってしまうと、
後から補修ができません。
そのため、医院でも
「これはOK」「これは取り直し」
を判断しています。
技工士側としても、良い印象は
精度の高い技工物につながるので非常に助かります。
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■ 印象の確認では何を見ているの?
•歯と被せ物の境目になるライン(マージン)がクッキリ見えるか
•臼歯のくぼみ(咬頭・溝)が欠けずに写っているか
•気泡・裂け・変形がないか
•隣の歯との位置関係が分かるか
•バイト(噛み合わせ)が左右均等か
などをチェックしています。
これらは写真では伝わりにくいため、
実際の印象材を目視で確認する必要があります。
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■ デジタル印象(口腔内スキャナー)の場合も確認が必要
近年増えてきた口腔内スキャナーでも、
スキャンの欠損・揺れ・読み取り不足が起きることがあります。
そのため
•データのゆがみがないか
•データの欠損部がないか
•かみ合わせ(バイト)がずれていないか
などをしっかり確認する必要があります。
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■ まとめ
印象(型どり)は、被せ物や詰め物を作るうえで最も重要なステップの一つです。
そして 印象の確認は、最終的な仕上がりの精度を大きく左右する作業です。
当院では、
正確な印象で治療のクオリティを高めるために、ひとつひとつ慎重にチェックしています。
ご不安なことがあれば、いつでもスタッフにお声がけください。

