こんにちは歯科技工士の宮林です。
歯は何のためにあるのか?無かったらどうなるのか?
歯の最も重要な役割は、食べ物を噛み砕き、飲み込みやすくすることです。前歯は食べ物を切り取り、犬歯は引き裂き、奥歯はすり潰します。この働きによって消化器官の負担が軽減され、栄養を効率よく吸収できるようになります。
また、歯は発音にも深く関わっています。「サ行」「タ行」などの音は、舌と歯の位置関係によって正しく発音されます。歯を失うと発音が不明瞭になり、会話やコミュニケーションに影響を及ぼすことがあります。
さらに、歯は顔の形や表情を支える役割も担っています。歯と顎の骨が口元を内側から支えることで、顔の輪郭が保たれています。歯を失うと顎の骨が徐々に痩せ、口元がへこみ、しわが増えるなど、見た目にも変化が生じます。
健康面では、噛む行為そのものが重要です。よく噛むことで唾液の分泌が促進され、口の中を清潔に保ちやすくなります。唾液には消化を助ける働きや細菌の増殖を抑える働きがあります。また、噛む刺激は脳へ伝わり、記憶や注意力の維持にも関係すると考えられています。近年では、歯の喪失と認知機能低下との関連を示す研究も報告されています。
もし歯が全く無かった場合、食事は大きく制限されます。硬い肉や野菜、果物などを十分に食べられず、栄養の偏りや低栄養の原因となります。発音が難しくなり、会話に支障が出る可能性もあります。さらに、顎の骨や筋肉が衰え、顔貌の変化や咀嚼機能の低下が進行します。結果として、生活の質(QOL)の低下につながることが少なくありません。
進化の観点から見ると、歯は人類が多様な食物を利用し、生存していくために発達した重要な器官です。
このように歯は、単に食べるためだけでなく、消化、発音、顔貌の維持、脳への刺激、全身の健康、社会生活の質の向上など、多方面にわたる重要な役割を果たしています。歯を守ることは、口の健康だけでなく、全身の健康と豊かな生活を守ることにもつながるのです。
歯を失うと、食べること、話すこと、笑うことが不自由になります。 そこで歯科技工士は、入れ歯や被せ物、インプラントなどを通じて、その人らしい生活を取り戻すお手伝いをしています。 患者さんが「またおいしく食べられる」「人前で笑えるようになった」と感じてくださることが、私たちの仕事の大きな価値です。
ぜひ歯を大事に、入れ歯や被せ物を大いに活用してください。

